
冬場になると急に跳ね上がる光熱費。特にお風呂を沸かすガス代は、家計を圧迫する大きな要因の一つです。「毎日お風呂に入りたいけれど、ガス代が気になる」「追い焚きを何度もしてしまい、月末の請求書を見て後悔する」そんな経験はありませんか?
実は、お風呂のガス代は工夫次第で大幅に削減できます。給湯器の設定や入浴のタイミング、ちょっとした習慣の見直しだけで、年間数万円の節約も可能なのです。多くのご家庭で実際に効果が出ている方法を、具体的な数値とともにお伝えします。この記事を読めば、今日からすぐに実践できる節約術が身につき、無理なく光熱費を抑えられるようになります。
■お風呂のガス代、実は家計の大きな負担に
家庭の光熱費の中で、給湯にかかる費用は全体の約30〜40%を占めています。特に冬場は、水温が低いため夏場の1.5倍以上のエネルギーが必要になります。
【一般家庭のお風呂ガス代の実態】
4人家族の標準的な家庭では、お風呂を沸かすガス代は月額で以下のような金額になります。
| 季節 | 月額ガス代(お風呂分) | 年間換算 | 
| 夏場(6〜9月) | 約2,500円 | 約10,000円 | 
| 春秋(4〜5月、10〜11月) | 約3,800円 | 約15,200円 | 
| 冬場(12〜3月) | 約5,200円 | 約20,800円 | 
| 年間合計 | 約3,800円/月平均 | 約46,000円 | 
この数字は200リットルの浴槽を毎日沸かし、平均的な追い焚き回数を含めた計算です。つまり、お風呂だけで年間5万円近くを使っているのです。
現場で多くの使用状況を確認してきた結果、特に以下のような使い方をしている家庭でガス代が高くなる傾向が見られます。
- 朝沸かして夜まで保温している
- 家族がバラバラの時間に入浴している
- 追い焚き機能を頻繁に使用している
- 給湯温度を必要以上に高く設定している
- 浴槽の蓋をせずに放置している
これらの習慣を見直すだけで、月額1,000円以上、年間では15,000円以上の節約が可能になります。次の章から、具体的な対策方法を詳しく解説していきます。
■追い焚きと給湯、どちらがガス代を節約できる?
お風呂のガス代を考える上で、最も重要なのが「追い焚き」と「新しく沸かす」のどちらが経済的かという問題です。結論から言うと、お湯の温度低下具合によって最適な選択は変わります。
【お湯の温度別・最適な選択肢】
実際の測定データに基づくと、以下のような判断基準になります。
| お湯の温度 | 推奨する方法 | 理由 | 
| 40℃以上 | 追い焚き | 温度差が小さく、短時間で済む | 
| 35〜39℃ | 追い焚き | まだ追い焚きの方が効率的 | 
| 30〜34℃ | 状況次第 | 追い焚き時間が長いなら入れ替えも検討 | 
| 30℃未満 | 入れ替え | 追い焚きより新しく沸かす方が経済的 | 
【追い焚きのガス代計算】
標準的な給湯器で200リットルの浴槽のお湯を追い焚きする場合、温度を1℃上げるのに必要なガス代は約3〜4円です。つまり、35℃のお湯を42℃まで追い焚きする場合….
(42℃ – 35℃) × 3.5円 = 約24.5円
一方、新しくお風呂を沸かす場合(水温15℃、設定温度42℃)
(42℃ – 15℃) × 200L ÷ 効率 = 約120〜150円
このデータから分かるように、お湯がある程度温かい状態であれば、追い焚きの方が圧倒的に経済的です。
【時間帯による判断基準】
多くのご家庭の使用パターンを見てきた中で、以下のような目安が実用的です。
追い焚きが有利なケース
- 最後の人が入浴してから2時間以内
- 保温蓋をしっかり閉めていた場合
- 浴室の気温が比較的高い場合
入れ替えが有利なケース
- 前日の残り湯を翌日使おうとする場合
- 4時間以上放置していた場合
- 冬場で浴室が冷え切っている場合
実際の測定では、蓋をしていれば2時間で約3〜4℃、蓋をしていない場合は5〜7℃温度が下がります。つまり、家族が連続して入浴すれば、追い焚きコストを最小限に抑えられるのです。
■お風呂を沸かすタイミングで変わる光熱費
入浴時間のタイミング調整は、最もシンプルで効果的な節約方法です。家族全員の入浴時間を工夫するだけで、追い焚き回数を減らし、保温時間を短縮できます。
【最も経済的な入浴スケジュール】
理想的なのは、お風呂を沸かしてから全員が2時間以内に入浴を済ませることです。具体的なモデルケースを見てみましょう。
パターンA:効率的な入浴(推奨)
- 18:00 お風呂を沸かす
- 18:30 1人目入浴
- 19:00 2人目入浴
- 19:30 3人目入浴
- 20:00 4人目入浴
- 追い焚き回数:0〜1回
- 月額ガス代:約3,200円
パターンB:非効率な入浴(要改善)
- 17:00 お風呂を沸かす
- 18:00 1人目入浴
- 20:00 2人目入浴(追い焚き1回)
- 22:00 3人目入浴(追い焚き2回)
- 23:30 4人目入浴(追い焚き3回)
- 追い焚き回数:3〜4回
- 月額ガス代:約4,800円
この差額は月間で1,600円、年間で約19,200円にもなります。
【季節別・最適な沸かし始め時刻】
水温や外気温により、お風呂を沸かす時間も変わります。実測に基づく推奨時刻は以下の通りです。
- 夏場(水温25℃前後):入浴予定時刻の20〜25分前
- 春秋(水温15〜20℃):入浴予定時刻の30〜35分前
- 冬場(水温10℃以下):入浴予定時刻の40〜45分前
早く沸かしすぎると保温時間が長くなり、遅すぎると待ち時間が発生します。給湯器のタイマー機能を活用して、家族が帰宅する時間に合わせて沸き上がるよう設定すると効率的です。
【曜日別の工夫】
平日と休日で入浴パターンを変えることも有効です。
平日: 帰宅時間が集中する曜日は、その時間に合わせて沸かし始める
休日: 家族が在宅している時間が長いため、午後の温かい時間帯に沸かすと効率的
実際に多くの家庭で試されている方法として、「お風呂が沸いたら家族にLINEで通知する」というルールを設けることで、間隔を空けずに入浴できるようになり、追い焚き回数が大幅に減ったという報告が多数あります。
■給湯器の設定温度が節約の鍵
給湯器の温度設定は、ガス代に直結する重要なポイントです。必要以上に高い温度設定は、エネルギーの無駄遣いになります。
【適切な給湯温度の設定】
お風呂の適温は一般的に38〜42℃とされていますが、給湯器の設定温度はこれより少し高めにする必要があります。なぜなら、配管を通る間に若干温度が下がるためです。
推奨設定温度
- お風呂用給湯温度:40〜42℃(季節や好みに応じて)
- 給湯器の設定温度:お風呂の希望温度+1〜2℃
多くの家庭で44℃以上に設定されているケースが見られますが、これは明らかに高すぎます。1℃下げるだけで、年間のガス使用量は約3〜5%削減できます。
【温度設定による年間コスト比較】
| 設定温度 | 年間ガス代(お風呂分) | 基準との差額 | 
| 45℃ | 約51,000円 | +5,000円 | 
| 43℃ | 約48,000円 | +2,000円 | 
| 41℃(推奨) | 約46,000円 | 基準 | 
| 39℃ | 約44,000円 | -2,000円 | 
ただし、39℃では冬場に物足りなく感じる可能性があるため、41〜42℃が快適性と経済性のバランスが取れた設定と言えます。
【エコ機能の活用】
最近の給湯器には様々な省エネ機能が搭載されています。
主なエコ機能
- 自動保温機能の時間設定(2〜4時間程度が推奨)
- エコモード(自動的に効率の良い運転をする)
- 学習機能(使用パターンを学習して最適化)
- 音声お知らせ機能(沸き上がりを知らせる)
特に自動保温機能は、設定時間を短くすることで大きな節約効果があります。標準設定が4時間になっている場合、2時間に短縮するだけで月額300〜500円程度の節約が可能です。
設置から年数が経過した給湯器は、効率が落ちている可能性があります。10年以上使用している場合、最新の省エネ型給湯器への交換を検討することで、ガス代が20〜30%削減できるケースもあります。初期投資は必要ですが、3〜5年で回収できる計算になります。
■保温効果を高める入浴の工夫
お風呂の熱を逃がさない工夫をすることで、追い焚きの回数を減らし、ガス代を大幅に節約できます。物理的な対策と入浴方法の両面からアプローチしましょう。
【保温効果を高める基本対策】
お湯の温度低下を防ぐ基本的な方法は以下の通りです。
- 浴槽の蓋を必ず閉める(温度低下を60〜70%軽減)
- 保温シートを併用する(蓋と併せて80%以上軽減)
- 浴室のドアを閉める(浴室全体の保温)
- 風呂場の窓を閉める(冬場は特に重要)
- 入浴後すぐに蓋を閉める(1分放置すると0.5℃下がる)
実測データによると、蓋をしない場合の温度低下は1時間で約2.5〜3℃ですが、蓋をすることで0.8〜1℃程度に抑えられます。これだけで追い焚き回数が半分以下になります。
【効果的な保温グッズと投資対効果】
市販されている保温グッズの中で、実際に効果が高いものをご紹介します。
| グッズ名 | 価格帯 | 保温効果 | 月間節約額 | 投資回収期間 | 
| アルミ保温シート | 500〜1,500円 | 高い | 約400円 | 2〜4ヶ月 | 
| 保温浴槽カバー | 2,000〜5,000円 | 非常に高い | 約600円 | 4〜8ヶ月 | 
| 浴槽用断熱材 | 3,000〜8,000円 | 高い | 約500円 | 6〜16ヶ月 | 
特にアルミ保温シートは、低コストで高い効果が得られるため、最初に導入すべきアイテムです。浴槽の水面に浮かべるだけで、蓋との間の空気層が断熱材の役割を果たし、保温効果が大幅に向上します。
【入浴時の節約テクニック】
入浴中の行動も、ガス代に影響します。
推奨する入浴方法
- シャワーの使用は最小限に(5分以内を目安)
- 浴槽に浸かっている間はシャワーを止める
- 体を洗う際は浴槽の蓋を閉める
- 最後の人は入浴後すぐに蓋を閉める
- 残り湯は洗濯や掃除に活用する
シャワーは1分間で約12リットルのお湯を使用します。5分間で60リットル、つまり浴槽の約3分の1の量になります。シャワーの使いすぎは、お風呂を沸かす以上にガス代がかかる可能性があるため注意が必要です。
これらの工夫を組み合わせることで、保温性能が向上し、追い焚き回数を最小限に抑えられます。特に冬場は効果が顕著で、月額1,000円以上の節約も珍しくありません。
■家族構成別・最適な入浴スケジュール
家族の人数やライフスタイルによって、最適な入浴方法は異なります。それぞれの状況に合わせた具体的な節約プランをご提案します。
【単身世帯の場合】
一人暮らしでは、毎日浴槽にお湯を張るよりも、シャワーとの使い分けが重要です。
推奨パターン
- 平日(週4〜5日):シャワーのみ(5分以内)
- 休日(週2〜3日):浴槽に浸かる
1回の入浴コスト:約120〜150円 1回のシャワー(5分):約60〜80円
この使い分けにより、月額のガス代を2,000〜3,000円程度削減できます。ただし、冬場や疲れている日は、浴槽に浸かることで健康維持にもつながるため、無理な節約は避けましょう。
【2人世帯(夫婦・カップル)の場合】
2人であれば、連続入浴が最も効率的です。
推奨スケジュール
- 1人目:19:00入浴
- 2人目:19:30入浴(間隔30分以内)
- 追い焚き:ほぼ不要
間隔が30分以内であれば、温度低下は1℃程度で済みます。どうしても時間が空く場合は、1人目が入浴後すぐに蓋を閉め、保温シートを使用することで2時間程度は追い焚き不要で維持できます。
【3〜4人世帯(家族)の場合】
家族が多い場合、入浴順序を工夫することが重要です。
効率的な入浴順序
- 子ども(体が小さく、早く入れたい)
- 母親(子どもの世話の流れで)
- 父親(帰宅時間に合わせて)
- 祖父母(ゆっくり入りたい場合は最後)
この順序により、全員が約2時間以内に入浴を完了でき、追い焚きは1回程度で済みます。
時間別スケジュール例
- 18:30 お風呂沸き上がり
- 18:30〜19:00 子ども入浴
- 19:00〜19:30 母親入浴
- 19:30〜20:00 父親入浴
- 20:00〜20:30 祖父母入浴(軽く追い焚き1回)
【5人以上の世帯の場合】
大家族では、2グループに分けて入浴することも検討しましょう。
パターン1:連続入浴 全員が2〜3時間以内に入浴できる場合は、そのまま連続で入る方が経済的です。
パターン2:分割入浴 時間が大きく空く場合は、前半グループと後半グループに分け、後半は入れ替えた方が安い場合もあります。
| 方法 | 追い焚き回数 | ガス代目安 | 
| 全員連続(4時間以内) | 2〜3回 | 約200円 | 
| 分割入浴(入れ替え) | 0回 | 約270円 | 
時間差が4時間以上空く場合は、分割入浴も選択肢になります。ただし、水道代も考慮する必要があるため、総合的に判断しましょう。
実際の生活パターンに合わせて、自分の家族に最適なスケジュールを見つけることが、無理なく継続できる節約のコツです。
■ガス代を抑える給湯器のメンテナンス
給湯器の性能維持は、長期的なガス代節約に直結します。適切なメンテナンスにより、効率を保ち、故障による突然の出費も防げます。
【定期的に行うべきメンテナンス】
給湯器の効率を維持するために、以下のメンテナンスを定期的に実施しましょう。
月1回のチェック項目
- 給湯器の外観確認(異音や異臭がないか)
- 浴槽フィルターの清掃(ゴミや髪の毛を除去)
- 給湯温度の確認(設定通りか確認)
- リモコンのエラー表示チェック
年1回の点検項目
- 専門業者による定期点検
- 配管の水漏れチェック
- 給気口・排気口の清掃
- 圧力調整弁の確認
特に浴槽フィルターの清掃は重要です。フィルターが詰まると循環効率が落ち、追い焚き時間が長くなり、その分ガス代が増加します。月に1回、フィルターを外して水洗いするだけで、効率を維持できます。
【給湯器の寿命と買い替え時期】
給湯器の標準的な寿命は10〜15年です。使用年数別の効率低下を見てみましょう。
| 使用年数 | 効率 | 年間ガス代への影響 | 
| 0〜5年 | 100% | 基準 | 
| 6〜10年 | 95〜90% | +2,000〜5,000円 | 
| 11〜15年 | 85〜80% | +7,000〜10,000円 | 
| 16年以上 | 75%以下 | +12,000円以上 | 
10年を超えると効率が顕著に低下し、ガス代が増加します。加えて故障リスクも高まるため、以下のような症状が出たら買い替えを検討すべきタイミングです。
買い替えのサイン
- お湯の温度が安定しない
- 異音がする(ガタガタ、ゴーッという音)
- 点火に時間がかかる
- エラー表示が頻繁に出る
- 給湯温度が設定より低い
- 10年以上使用している
【省エネ型給湯器への更新効果】
最新の省エネ型給湯器(エコジョーズなど)に更新すると、従来型と比べて約15〜25%のガス代削減が期待できます。
更新による経済効果シミュレーション
初期投資:約15〜25万円(工事費込み) 年間削減額:約10,000〜15,000円 投資回収期間:約10〜15年
長期的に見れば、効率の良い給湯器への更新は経済的にメリットがあります。特に15年以上使用している古い給湯器を使っている場合は、早めの更新を検討する価値があります。
また、自治体によっては省エネ機器への更新に補助金を出している場合もあります。地域の制度を確認してから購入すると、さらにお得に更新できる可能性があります。
日常的な清掃と定期的な点検により、給湯器の性能を維持し、長期的なガス代の削減につなげましょう。
■年間で見るとこんなに違う!節約効果のシミュレーション
ここまでご紹介した節約方法を実践すると、実際にどれくらいの金額が節約できるのか、具体的なシミュレーションで確認しましょう。
【節約前と節約後の比較】
標準的な4人家族のケースで、年間のガス代(お風呂分)を比較します。
節約前の状態
- お風呂の温度設定:44℃
- 入浴時間:バラバラ(4時間以上の間隔)
- 追い焚き:1日平均3回
- 保温対策:蓋のみ(シートなし)
- 給湯器:10年以上使用
年間ガス代:約58,000円
節約後の状態
- お風呂の温度設定:41℃(3℃下げる)
- 入浴時間:2時間以内に集中
- 追い焚き:1日平均0〜1回
- 保温対策:蓋+保温シート使用
- 給湯器:適切にメンテナンス
年間ガス代:約38,000円
年間削減額:約20,000円
【節約手法別の効果内訳】
それぞれの対策がどれくらい貢献しているか、内訳を見てみましょう。
| 節約手法 | 年間削減額 | 削減率 | 
| 温度設定を3℃下げる | 約4,500円 | 8% | 
| 入浴時間を集中させる | 約8,000円 | 14% | 
| 保温シート導入 | 約4,800円 | 8% | 
| 給湯器メンテナンス | 約2,700円 | 5% | 
| 合計 | 約20,000円 | 約35%削減 | 
これらの対策は、どれも特別な技術や大きな投資を必要としません。日々の習慣を少し変えるだけで、年間2万円もの節約が実現できるのです。
【初期投資が必要な対策の回収期間】
一部の対策には初期投資が必要ですが、回収期間を見れば十分にペイすることが分かります。
保温グッズへの投資
- 保温シート:1,000円
- 保温カバー:3,000円
- 合計投資:4,000円
- 年間削減効果:4,800円
- 投資回収期間:約10ヶ月
給湯器の更新(必要な場合)
- 投資額:200,000円
- 年間削減効果:15,000円
- 投資回収期間:約13年
給湯器は高額ですが、寿命を考えると15年程度使用するため、長期的には十分に元が取れる計算です。
【月別の節約効果】
季節によって節約効果も変動します。特に冬場の効果が大きいことが分かります。
- 夏場(6〜9月):月額1,000円削減
- 春秋(4〜5月、10〜11月):月額1,500円削減
- 冬場(12〜3月):月額2,500円削減
冬場は水温が低く、給湯に多くのエネルギーが必要なため、節約対策の効果が最も大きく現れます。逆に言えば、冬こそ節約のチャンスということです。
5年間継続した場合、累計で約10万円の節約になります。このお金を旅行や趣味、貯蓄に回せると考えると、日々の小さな工夫が大きな価値を生み出すことが実感できるでしょう。
■今日から始められる、お風呂のガス代節約チェックリスト
最後に、すぐに実践できる節約アクションを、優先度別にまとめました。このチェックリストを活用して、できることから始めてみてください。
【今日から実践できる対策(優先度:高)】
即効性があり、コストゼロでできる対策
- □ 給湯器の設定温度を2〜3℃下げる
- □ 入浴後すぐに浴槽の蓋を閉める
- □ 家族で入浴時間を調整し、間隔を空けない
- □ シャワーの使用時間を意識的に短くする(5分以内)
- □ 浴槽フィルターを清掃する
- □ 自動保温時間の設定を見直す(2時間程度に短縮)
- □ お風呂が沸いたら家族に知らせる仕組みを作る
これらは今日からすぐに始められ、月額500〜1,000円程度の削減効果があります。特に給湯温度の見直しは、リモコンの設定を変えるだけなので、この記事を読み終わったらすぐに実行しましょう。
【1週間以内に実施したい対策(優先度:中)】
少額の投資で大きな効果が得られる対策
- □ 保温シートを購入して使用開始(投資:500〜1,500円)
- □ 家族の入浴スケジュールを見直し、ルール化する
- □ 残り湯の活用方法を決める(洗濯、掃除など)
- □ 浴室の窓やドアの隙間をチェックし、必要なら補修
- □ 給湯器のエコモード設定を確認・活用
保温シートは特にコストパフォーマンスが高く、1,000円程度の投資で月額400円程度の節約が期待できるため、3ヶ月で元が取れます。
【1ヶ月以内に検討したい対策(優先度:中)】
やや投資が必要だが、効果が高い対策
- □ 保温カバーの導入を検討(投資:2,000〜5,000円)
- □ シャワーヘッドを節水タイプに交換(投資:2,000〜8,000円)
- □ 給湯器の専門業者による点検を予約
- □ 入浴習慣を完全に定着させる
- □ 家族で節約効果を確認し、モチベーションを維持
特に給湯器の定期点検は、効率維持だけでなく、故障の早期発見にもつながります。年に1回は専門家に見てもらうことをお勧めします。
【長期的に検討したい対策(優先度:低〜中)】
大きな投資が必要だが、長期的にメリットがある対策
- □ 給湯器の使用年数を確認(10年以上なら更新を検討)
- □ 省エネ型給湯器への更新を計画
- □ 浴槽の断熱リフォームを検討
- □ 太陽熱温水器の導入を検討
- □ 自治体の補助金制度を調査
給湯器が10年以上経過している場合、効率が落ちている可能性が高いため、更新を検討する時期です。最新の省エネ型給湯器は、年間で1〜2万円のガス代削減が期待できます。
【節約効果を最大化するポイント】
複数の対策を組み合わせることで、相乗効果が生まれます。
推奨する組み合わせ
- 温度設定見直し + 入浴時間集中 = 月額1,200円削減
- 保温シート + 入浴時間集中 = 月額1,500円削減
- すべての対策を実施 = 月額2,000円以上削減
最初から全てを完璧にする必要はありません。できることから始めて、徐々に習慣化していくことが、無理なく継続するコツです。1ヶ月後、3ヶ月後にガス代の請求書を確認し、効果を実感できれば、自然とモチベーションも続きます。
■小さな工夫の積み重ねが大きな節約に
お風呂を沸かすガス代は、工夫次第で大幅に削減できることをご紹介してきました。温度設定の見直し、入浴タイミングの調整、保温対策の強化、そして給湯器のメンテナンス――これらの対策を組み合わせることで、年間2万円以上の節約も十分に可能です。
特に効果が高いのは、家族全員が短時間に連続して入浴することと、給湯温度を適正値に設定することです。この2つだけでも年間1万円以上の削減が期待できます。さらに保温シートなど少額の投資を追加すれば、より大きな効果が得られます。
大切なのは、完璧を目指すのではなく、できることから始めて習慣化することです。最初の1ヶ月は意識的に取り組み、2ヶ月目からは自然な習慣として定着させましょう。節約効果を実感できれば、家族全員の協力も得やすくなります。
この記事でご紹介した方法は、多くのご家庭で実際に効果が確認されている実践的なノウハウです。ぜひ今日から取り組んで、無理なくガス代を削減し、浮いたお金で家族の楽しみを増やしていってください。
