CPの変動とその影響
プロパンガスの輸入価格であるCP(サウジアラビアでの船積み価格)は毎月変動しており、全国のプロパンガス会社はこれに基づいて料金を調整しています。消費者にとって、価格の動向を注視することが重要です。
2024年9月CPは605ドルに上昇、8月比15ドルアップ
9月のCP価格動向
9月のサウジアラムコCP(Contract Price)は、8月の590ドルから15ドル上昇し、605ドルとなりました。これは前月比で2.54%の上昇を示しています。
中国の石化市況がCPを支える要因
9月のCPは原油価格の下落傾向にもかかわらず、中国の石油化学製品市況が底支えとなり、上昇基調を維持しました。
中国経済状況の悪化と原油価格への影響
中国経済の成長率は減速しており、2024年4〜6月期の実質成長率は前年同期比+4.7%に留まりました。これにより消費も低迷し、不動産市場の不況が一因とされています。また、原油価格も下落し、WTI原油先物は9月11日現在で66.11ドルまで値を下げました。OPECが世界石油需要を引き下げたことも、この価格下落に寄与しています。
LPガス市況:中東酷暑と中国PDH事業の影響
この夏、中東では酷暑による電力需要が増加し、サウジアラビアやクウェートの発電所でプロパンが使用されたことで、プロパン輸出量が減少しました。一方、中国のPDH事業の堅調さがプロパン需要を押し上げ、供給不足を招いています。通常、CPは原油価格と連動する傾向にありますが、現在のように需給要因によって逆の動きを見せることもあります。
米国MB市況の状況
8月の米国MB(Mont Belvieu)価格平均は、前月の416ドルから26ドル下落し390ドルとなりました。ハリケーン「ベリル」からの回復により、米国市場でのプロパン供給と在庫が増加したことが背景です。価格もWTIの下落に連動し、8月の390ドルという水準になりました。
プロパンガス料金の連動性:CPとMB
2017年以降、プロパンガスの料金はCPとMBに連動しています。CPが約70%、MBが約30%の比率で料金に影響を与えていますが、この比率は元売り会社の方針により異なる場合があります。
CPとMBの概要
CP(Contract Price) は、サウジアラビアの国営石油会社が決定する価格で、輸出国の港での引き渡し価格です。
MB(Mont Bellevue) は、米国テキサス州モントベルビュー市でのプロパンガス取引価格で、世界の主要指標の一つとなっています。