2023年3月CPは720ドルで2月比70ドル下落
2月28日に3月のサウジアラムコCPが発表されました。2月の790ドルに対し70ドル下落の720ドル。2月のMB平均価格は、1月の438ドルから7ドル下げて431ドルでした。
2月=790ドル
▶3月=720ドル(8.86%↓)
CPとMBは下がったものの円安で販売価格は上がる?
CP70ドルの下落要因は3つ
①極東需要期の終
東京は、もうすぐ桜が咲きそうに温かいです。
1月には、直近10年で最強の寒波が一部の地域を襲いましたが予想されたほど長引かず、3月は平年より高めの気温です。これがCP下落の最初の要因です。
②中東の貯槽タンクの定期修理の終了
2月の本欄でも触れましたが、サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)のプロパンガス貯槽タンクの定期修繕のため出荷量が減少し、それがCP上昇に繋がっていました。
それが、意外に早く修理が終わりそうです。3月中には終了し、4月に極東着の中東もののタンカーが増えそうなのです。
③中国の石化事業が原料高騰で伸び悩み
近年、中国や東南アジアでは、石油や天然ガスを原料とした精製・商品化・運輸・販売などの幅広い事業開拓が旺盛です。
しかし、原料が高騰しているため採算が合わず事業そのものが停滞していて、原料である石油・天然ガス・プロパンガスなどの需要が低下し、最終的にCPの下落につながっています。
MBの7ドル下落は高水準備蓄が要因
2月の平均MBは、1月の438ドルから7ドル下げて431ドルでした。
主な要因は、備蓄がたくさんあることです。プロパンガスの全米備蓄自体は現在11週間連続で下がっています。ただ、備蓄が超低水準だった昨年同期比で見ると、まだ167%と高水準を維持しているのです。
結果として、全米のプロパンガス備蓄は減ってきているもののMBは上がらず逆に下がっています。
CPとMBが下がっても販売価格が下がらない原因
原因はズバリ円安です!
2月月初のドル円レートは128.84円でした。しかし、その後日銀の新総裁候補である植田和男氏は金融緩和を続けそうな状況です。このニュースが流れてから再度円安が加速し、3月月初の為替レートは136.35円まで円安になっています。
2月から3月までの1カ月で、7円51銭の円安が進んだ結果CP70ドルもMB7ドルもかき消されて、プロパンガスの輸入価格は6.8%上昇しているのが実態です。
こういう環境の中、国内プロパンガス販売最大手の日本瓦斯が値上げをするようです。時期は4月検針分から従量単価1立方メートルあたり、50円です。
一般にプロパンガス会社は、原料が上がったら販売価格も値上げします。しかし、原料が下がっても値下げしないので、長年契約していると割高になってしまいます。そこで、定期的な料金診断をすることをお奨めします。1分もかからないのでチェックしてみてください。