CPの変動とその影響
プロパンガスの輸入価格であるCP(サウジアラビアでの船積み価格)は毎月変動しており、全国のプロパンガス会社はこれに基づいて料金を調整しています。消費者にとって、価格の動向を注視することが重要です。
2024年10月CPは625ドルに上昇、9月比20ドルアップ
10月のCP価格動向
10月のサウジアラムコCP(Contract Price)は、9月の605ドルから20ドル上昇し、625ドルとなりました。これは前月比で3.31%の上昇を示しています。
中国PDH事業の回復と東南アジア需要の増加で需給が引き締まる
10月のCPは、中国のPDH事業(プロパン脱水素事業)の稼働率が回復し、加えてインド、インドネシア、バングラデシュなど東南アジア地域での需要が増加しているため、需給がタイト化しました。このような背景から、9月から20ドル上昇した結果となりました。
原油市況:イスラエルとイランの緊張が原油価格を押し上げる要因に
9月28日、イスラエル軍によるヒズボラ本部への空爆や、その後のイランによる報復攻撃で地域の緊張が高まっています。米国バイデン大統領が10月3日に「イスラエルのイラン石油施設への攻撃支援を検討」と発言したことで、WTI先物は急騰し、9月末の69.81ドルから10月2日には73.31ドルまで上昇しました。現在(10月14日)のWTI価格は74.28ドルと一旦落ち着きを見せています。
LPガス市況:東南アジアの需要増加と中国PDH事業の影響でCPが上昇
中国の経済成長は引き続き鈍化していますが、9月にはPDH事業が回復基調にあります。さらに、南・東南アジア地域でプロパン需要が増加し、アジア市場の需給が引き締まった結果、CPは9月比20ドル増の625ドルとなりました。
米国MB市況:WTI原油価格の下落がMB価格にも影響
9月の米国MB(Mont Belvieu)平均価格は、8月の390ドルから50ドル下がり、340ドルとなりました。WTI原油先物価格も9月は平均69.55ドルと、8月の75.55ドルから約6ドルの下落を見せており、この影響がMB価格に反映されています。
プロパンガス料金の連動性:CPとMB
2017年以降、プロパンガスの料金はCPとMBに連動しています。CPが約70%、MBが約30%の比率で料金に影響を与えていますが、この比率は元売り会社の方針により異なる場合があります。
CPとMBの概要
CP(Contract Price) は、サウジアラビアの国営石油会社が決定する価格で、輸出国の港での引き渡し価格です。
MB(Mont Bellevue) は、米国テキサス州モントベルビュー市でのプロパンガス取引価格で、世界の主要指標の一つとなっています。